DerrEsserはAPI 500シリーズ互換モジュール(VPR Alliance) の高性能ディエッサーであると同時に、アナログサウンドの質感を得るための色付けデバイス、高性能なハイパス&ローパスフィルターとしても使えるマルチファンクションのダイナミック・フィルタリング・デバイスです。
ディエッサーやテープシミュレーションとして様々な高域補正が可能になる4モードを搭載しています。
・Bypass Button を INにセット, 他のボタンはOUTポジションに設定
いわゆるディエッサーとして動作します。ボーカルサウンドのS音(シビランス)をメインテナンスしクリーンでアグレッシブなボーカルサウンドを再現可能です。スタンダードなDSモードでは 2-6kHzに周波数を合わせて、スレッショルドをかけていけばボーカルの不自然なシビランス音だけを的確にトリートメント可能です。またDSモードではハイハットがスネアマイクに漏れているなどといった難しい問題の解決にもなるでしょう。
通常のディエッサーと違い、DS Modeではダイナミックアクションが入力レベルとは無関係になります。このモードでは、入力信号を高域と低域に分割してレベルを検出し、それを比較してリダクション量を決定します。高域のレベルが低域のレベルを上まわった時に、Frequencyで設定したクロスオーバーポイントより上の周波数をリダクションします。つまり高域のTHRESHOLD値が、低域のレベルにより変化するのです。
高域と低域のレベル差で制御されるため、通常の方式では反応しない小さなレベルでも、的確なサウンドトリートメントが可能になります。
最新のVCA技術を使いノイズレス、歪みレスのパフォーマンスを実現しています。
・Bypass ButtonとHF LIM を INにセット, 他のボタンはOUTポジションに設定
DerrEsserのHF LIMITモードはデジタルサウンドにありがちな高域の刺々しさ(スパイク、エッジ)をエアー感を一切失うことなくトリートメントできる唯一のツールです。またこの音質はアナログテープに録音したかのような高域の飽和感(テープコンプレッション)を再現する事も可能です。
このHF Limitでは、通常のレベル検出タイプになりますがDerrEsserは高域のみのレベルを検出します。いわゆる高域専用のリミッターです。このモードは高域に対して反応し、スムースに色付けするために用意されています。もちろんこのモードでディエッシングを行うことも可能です。ソフトニータイプのHF Limiterは本機の大きな魅力です。